フランス王ルイ9世への使節 1253年、マヌエルは十字軍遠征としてエジプトに滞在していたフランス王ルイ9世のもとに使節を派遣した。マヌエルはフランス王女と結婚することで、両国との間に強固な関係を構築しようと試みていたとされる。現代の歴史家ウィリアム・ミラーによると、フランス王ルイ9世はその十字軍遠征に王女を随行させておらず、代わりにマヌエル1世に対してラテン帝国と婚姻関係を結ぶことを推奨したという。「マヌエル1世のような偉大で裕福な皇帝の助力は、仇敵ニケーア帝国やギリシャ系貴族ヴァタツェス家と対抗するラテン帝国に対して非常に有益な支援になったのであろう。」とミラーは主張する。十字軍遠征に参加していたルイ9世の重臣ジャン・ド・ジョアンヴィルは自身の伝記にマヌエルの豊かさを示す記述を残している。その記述によれば、マヌエルはルイ9世に対して多種多様な宝石やその他の贈り物に加え、ハナミズキの木材で作られた弓矢を贈呈したという。またその矢の矢羽は弓に嵌め込められており、矢を放った際にはその矢が非常に鋭く、また非常によく作り込まれていることが見て取ることができたという。