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木山捷平(1904~1968)

大陸の細道
日本の冬の服装でいきなり満洲にとび込んで来た正介を、満洲の空気は、薄みにつけ込んで、先ず彼の胸のあたりから牙をたてて来たのだ。理由はともかく、最初猛烈な咳が五分間もつづいて、今にも息が切れそうになった。そして焼火箸でも突っこむように胸が疼いて来た時には、正介は自分の命も今夜かぎりかと思った。

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