升田幸三との闘争
「高野山の決戦」に敗れ、名人挑戦・名人獲得との大山の後塵を拝していた升田幸三であったが、「新手一生」「名人に香車を引いて勝つ」を標榜しながら巻き返しを狙っていた。1955年度、升田は大山から王将位を奪取、二冠の一角を崩す。このとき、王将戦の規定で升田は大山を香落ちに指し込んで屈辱を味わわせ、「名人に香車を引いて勝つ」という念願を達成している。この時の心境を大山は『ハラワタがちぎれるほど悔しかった』と言っている。1956年の第16期名人戦において、第12期・第13期と升田を退けてきた大山は、ついに升田に名人位を奪取され、無冠に転落した。升田は、名人・九段・王将の全冠を独占して、棋界初の三冠王となった。
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