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田村俊子(1884~1945)

木乃伊の口紅
淋しい風が吹いて來て、一本圖拔けて背の高い冠のやうな檜葉の突先がひよろひよろと風に搖られた。一月初めの夕暮れの空は薄黄色を含んだ濁つた色に曇つて、ペンで描いたやうな裸の梢の間から青磁色をした五重の塔の屋根が現はれてゐた。

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