国籍離脱
二人は住所をパリに移し、そこからすぐにコート・ダジュールのアンティーブに移った。スコットが2作目の長編の執筆にかかりきりになった事で構ってもらえなくなった間、ゼルダは若く溌剌としたフランス人の空軍パイロット、エドゥアール・ジョーザンに夢中になった。ゼルダはジョーザンと日暮れまでビーチで泳ぎを楽しみ、夜はカジノでダンスをした。6週間後、ゼルダはスコットに離婚を申し出た。これに狼狽した彼は、はじめジョーザンに会わせろと要求したが、ついにはゼルダを自分たちの家に監禁し、離婚を諦めるまでそこに閉じ込めた。ジョーザンはゼルダが夫にそんな頼み事をしていることを知らず、その年のうちにコートダジュールを去り、ゼルダと再び会うことはなかった。ゼルダとジョーザンがどこまでの関係であったかは不明だが、多くの関係者は2人が肉体関係にまで及んでいたと考えている。しかし、後にジョーザンはゼルダの伝記作家ミルフォードとのインタビューで「あの二人はどちらもドラマを必要としていた。彼らはそれをでっちあげ、おそらくは自分たちの穏やかでない、すこしだけ不健全な想像力の犠牲者に進んでなったんだ」と述べ、これを否定している。
コメント
コメントを投稿