傷だらけの人生
「古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ新しいものを欲しがるもんでございます。どこに新しいものがございましょう。生まれた土地は荒れ放題、今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか。」何から何まで真っ暗闇よすじの通らぬことばかり右を向いても左を見てもばかと阿呆のからみあいどこに男の夢がある「好いた惚れたとけだものごっこがまかり通る世の中でございます。好いた惚れたは、もともと心が決めるもの…こんなことを申し上げる私もやっぱり古い人間でござんしょうかね。」ひとつの心に重なる心それが恋ならそれもよししょせんこの世は男と女意地に裂かれる恋もあり夢に消される意地もある「なんだかんだとお説教じみたことを申して参りましたがそういう私も日陰育ちのひねくれ者、お天道様に背中を向けて歩く…馬鹿な人間でございます。」真っ平ご免と大手を振って歩きたいけど歩けない嫌だ嫌ですお天道様よ日陰育ちの泣きどころ明るすぎます俺らには
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