結婚
フランソワ2世が亡くなった数日後、ブルターニュ=フランス戦争の新たな危機の時代が幕を開けた。1490年、アンヌの妹イザボーが12歳で早世した。同年12月19日、ブルターニュ公位を継承していたアンヌは、レンヌで当時ローマ王であったハプスブルク家のマクシミリアンと代理結婚した。そうすることで、彼女は亡き父の方針に従って王妃となったのである。しかし、この結婚は、ヴェルジェ条約に違反していると考えるフランス側にとって深刻な挑発行為であった。それまでブルターニュは14世紀から15世紀にはフランスを刺激する状況をつくらないよう腐心してきたというのに、ブルターニュの中にフランス王の敵を導入することにほかならなかった。おまけに、時期を誤っていた。ブルターニュの同盟国は別の前線にあって、十分な援軍を組織できなかった。
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