日本西部及び南部魚類図譜
幕末から明治時代にかけて日本で活動したスコットランド人商人トーマス・ブレーク・グラバーと日本人夫人との間に生まれた実業家、水産学者の倉場富三郎は、1907年に長崎汽船漁業会社を設立し、日本に初めてトロール漁業を導入したが、この新式の漁業は沿岸漁民との間に軋轢を生じ、やがて撤退を余儀なくされ、事業を保険業などに転換していった。そのころ大正の始めごろから昭和初期にかけて、富三郎は自ら長崎魚市場などをまわって魚類や甲殻類などの水産動物を収集し、ごく新鮮なうちに地元の小田紫星、萩原魚仙、長谷川雪香、中村三郎、井上寿一の五人の画家に生物学的に正確かつ精密な図譜として描かせた。
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