海上権力史論~歴史研究~
この研究はシーパワーが欧米史においてどのような歴史的影響があったのかを論じるものである。歴史研究ではシーパワーの意義や重要性は明確に認識されてはいない。マハンはローマ史の研究を参考にしている。ポエニ戦争においてカルタゴに対してローマが勝利し、またナポレオン戦争においてフランスに対してイギリスが勝利したことから考えれば、海上の支配が勝者にあったという一致点が浮き彫りになる。しかし既存の研究で海洋に着目したものであり、海上権益を歴史の因果性の中で位置づけた研究は不十分であり、これを歴史研究を参照しつつ明らかにしようとするものである。パクス・ブリタニカと呼ばれるイギリス帝国の覇権の時代や、オランダ、スペイン、フランスの失敗などの歴史的事例を参考にしながらシーパワーの重要性を示している。
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