レベッカ
ヴァン・ホッパーの付き人としてモンテカルロのホテルにやってきた「わたし」は、そこでイギリスの大金持ちであるマキシムと出会い、2人は恋に落ちる。マキシムは1年前にヨット事故で前妻レベッカを亡くしていたのだが、彼女はマキシムの後妻として、イギリス・マンダレイにある彼の大邸宅へ行く決意をする。美しい自然に恵まれ、多くの使用人がいる邸宅の女主人として、控えめながらやっていこうとする彼女だったが、不遇な境遇のため、人に使われたことはあっても使ったことのない「わたし」には、戸惑うことばかりだった。以前からの使用人、ことにかつてのレベッカ付きの使用人で、今なお邸宅を取り仕切るデンヴァース夫人にはなかなか受け入れてもらえない。屋敷の調度は前妻レベッカの趣味で整えられ、新参の「わたし」は内心不満に思いながらも、その中で暮らしていくしかなかった。次第に「わたし」は前妻レベッカの、見えない影に精神的に追いつめられていく。
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