カリーラとディムナ
インドのある地に、シャトラバという牛がいた。彼は人間の主人に飼われていて、農作業や牛車引きをするのが仕事だった。ある日、牛車を引いて主人を運んでいたシャトラバは泥道に足を取られ動けなくなった。主人はシャトラバの事を召使に託して先に行ってしまい、召使はシャトラバを助けようと試みるも力及ばず、シャトラバを見捨てて帰り、主人にはシャトラバが死んだと嘘をついたのだった。シャトラバは自力で泥から抜け出ると、彼の生まれ故郷でった豊穣たる草原に行って暮らし始めたが、同胞のいない草原には話し相手がおらず、あまりの寂しさに大きく鳴声を上げるのだった。その声は、草原のライオンキングの宮殿まで届いた。ライオンキングは初めて聞く牛の鳴声に大いに動揺した。
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