『弁論家の教育』~序説~
前述したように、クインティリアヌスは皇帝ドミティアヌスの治世の最後の年にこの本を執筆した。ローマ皇帝の中でも、たとえばネロ、カリグラ、ドミティアヌスの治世下は、時が経つにつれてますます非道なものになっていた。「秘密警察がさかんにローマ市民を餌食していき、元老院議員たちでさえさまざまなやり方でさかんにお互いを密告しあった…… ドミティアヌスの治世下、皇帝に対する不敬のほんのわずかの疑惑でも極刑に値した」。社会的・政治的腐敗がはびこっていた。最大の皮肉は、堕落したドミティアヌスが「公衆道徳の責任のある終身監察官に」自分自身を任命したことだった。
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