思想
新プラトン主義の哲学者として、プロティノスと同じく流出説をとり、「最高の原理である神の意志から、知性、世界精神、自然の順に流出する」とした。彼は、神を除いてあらゆる存在者は質料と形相によって合成されていると考えた。この命題を初めて唱えた人として西方では有名になる。ここでいう質料とは必ずしも物体を意味するのではなく、単に現実態に対して可能態を指すものである。神に劣るすべてのものは、純粋な現実態ではありえない。有限の存在は常に幾分かの可能態が混合しており、この可能態はまさしくその有限なる存在の質料であって、もろもろの知性や人間の魂の精神的な質料からの物体の粗雑な質料に到るまで、段階を追って不完全になっていくのである。これはフランシスコ学派の神学者たちが主張し、トマス・アクィナスが反対した説であった。
新プラトン主義の哲学者として、プロティノスと同じく流出説をとり、「最高の原理である神の意志から、知性、世界精神、自然の順に流出する」とした。彼は、神を除いてあらゆる存在者は質料と形相によって合成されていると考えた。この命題を初めて唱えた人として西方では有名になる。ここでいう質料とは必ずしも物体を意味するのではなく、単に現実態に対して可能態を指すものである。神に劣るすべてのものは、純粋な現実態ではありえない。有限の存在は常に幾分かの可能態が混合しており、この可能態はまさしくその有限なる存在の質料であって、もろもろの知性や人間の魂の精神的な質料からの物体の粗雑な質料に到るまで、段階を追って不完全になっていくのである。これはフランシスコ学派の神学者たちが主張し、トマス・アクィナスが反対した説であった。
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