山上宗二記
主に茶入、茶壺、掛軸といった茶道具とその所持者を評価の高い順序に従って列挙しており、これにより当時の茶道具のヒエラルキーが判明する。またそれぞれの道具に関しての心得が記されているが、要所要所で「口伝」と言って筆を止めており、金子による口伝の伝授が行われていたと推測されている。後半になると「茶湯者覚悟十躰」として、「一期に一度」など茶人の心構えが説かれる。しかし特に重要視されているのは、「名物」を持たない「侘数寄」であっても名士などに気後れをしてはならないといった態度であって、『南方録』のような禅宗を特別に強調した過剰な精神論ではない。
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