フェズでの権力闘争
マリーン朝ではアブー・イナーンに近侍する学者の集団に加えられて宮廷に出入りし、公文書を作成する書記官の官職に任ぜられた。書記官の地位はさして高いものではなく、ハルドゥーンもこの役職に満足していなかったが、安定した地位を得たことで落ち着いた生活を送ることができ、フェズの学者たちから教えを受けた。他方、勉学の傍らで宮廷を訪れる他国の外交官、政治家とも接触をし、マリーン朝の人質となっていたハフス朝の王族アブー・アブドゥッラー・ムハンマドとも交流を持った。1356年の終わりにアブー・イナーンが病に倒れると、ハルドゥーンとアブドゥッラーは密かに語り合い、アブドゥッラーの領地であるベジャーヤに帰還し、ベジャーヤの支配権を奪回する約束を交わした。
マリーン朝ではアブー・イナーンに近侍する学者の集団に加えられて宮廷に出入りし、公文書を作成する書記官の官職に任ぜられた。書記官の地位はさして高いものではなく、ハルドゥーンもこの役職に満足していなかったが、安定した地位を得たことで落ち着いた生活を送ることができ、フェズの学者たちから教えを受けた。他方、勉学の傍らで宮廷を訪れる他国の外交官、政治家とも接触をし、マリーン朝の人質となっていたハフス朝の王族アブー・アブドゥッラー・ムハンマドとも交流を持った。1356年の終わりにアブー・イナーンが病に倒れると、ハルドゥーンとアブドゥッラーは密かに語り合い、アブドゥッラーの領地であるベジャーヤに帰還し、ベジャーヤの支配権を奪回する約束を交わした。
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