芸風
三代目菊五郎は「どうして俺はこんなにいい男なんだろう」と楽屋で自身の顔を鏡に映しながらつぶやいたほどの美貌で知られた。そのうえに演技力に優れ、また創意工夫を重ねた努力家でもあった。多くの怪談狂言では作者の大南北をはじめ、大道具方の十一代目長谷川勘兵衛、鬘師友九郎、衣装方などの裏方と協力して次々と新しい演出を生み出し、特に幽霊や妖怪から一転して美男美女に早変わりする型は観客を喜ばせた。役柄も広く、「立役、女形、老役、若衆方、立敵から三枚目まで、そのままの姿で替ります」と評され「兼ネル」の称号までを与えられている。
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