蛇笏の俳句
信心の母にしたがふ盆会かな くろがねの秋の風鈴鳴りにけり 夏雲群るこの峡中に死ぬるかな 竹の実に寺山あさき日ざしかな ほそぼそと月に上げたる橇の鞭 秋灯にねむり覚むるや句三昧 大江戸の街は錦や草枯るる 桑の実に顔染む女童にくからず 山寺の扉に雲遊ぶ彼岸かな ふるさとの雪に我ある大炉かな 冬川に出て何を見る人の妻 ぬぎすてし人の温みや花衣 夜は青し神話に春の炉火もゆる 三伏の穢に鳴く荒鵜かな 父祖の地に闇のしづまる大晦日 就中学窓の灯や露の中 春蘭の花とりすつる雲の中 いち早く日暮るる蝉の鳴きにけり 芋の露連山影を正しうす 春めきてものの果てなる空の色 をりとりてはらりとおもきすすきかな 降る雪や玉のごとくにランプ拭く
信心の母にしたがふ盆会かな くろがねの秋の風鈴鳴りにけり 夏雲群るこの峡中に死ぬるかな 竹の実に寺山あさき日ざしかな ほそぼそと月に上げたる橇の鞭 秋灯にねむり覚むるや句三昧 大江戸の街は錦や草枯るる 桑の実に顔染む女童にくからず 山寺の扉に雲遊ぶ彼岸かな ふるさとの雪に我ある大炉かな 冬川に出て何を見る人の妻 ぬぎすてし人の温みや花衣 夜は青し神話に春の炉火もゆる 三伏の穢に鳴く荒鵜かな 父祖の地に闇のしづまる大晦日 就中学窓の灯や露の中 春蘭の花とりすつる雲の中 いち早く日暮るる蝉の鳴きにけり 芋の露連山影を正しうす 春めきてものの果てなる空の色 をりとりてはらりとおもきすすきかな 降る雪や玉のごとくにランプ拭く
コメント
コメントを投稿