反デカルト学説
ヴィーコは「数学的知識以外の知識はあり得ない」というデカルト派の認識論に対し、学問に必要なのは認識可能なものと不可能なものを区別する原理であると考えた。その原理とは「真理と事実とは置換できる」、つまり精神がある対象を理解するためには、その対象が人間精神によってすでに作られていなければならない、ということだった。数学は人間の作り出した仮説であり、歴史は人間の「行為事実」が無から作り出すものであるから、両方とも認識可能な事柄である。こうして歴史は、明確な認識を生みうる学問として数学と並ぶ地位を与えられた。
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