名づけられた葉 ポプラの木にはポプラの葉何千何万芽をふいて緑の小さな手をひろげいっしんにひらひらさせてもひとつひとつのてのひらに載せられる名はみな同じわたしもいちまいの葉にすぎないけれどあつい血の樹液をもつにんげんの歴史の幹から分かれた小枝に不安げにしがみついたおさない葉っぱにすぎないけれどわたしは呼ばれるわたしだけの名で朝に夕にだからわたし考えなければならない誰のまねでもない葉脈の走らせ方を刻みのいれ方をせいいっぱい緑をかがやかせてうつくしく散る法を名づけられた葉なのだから考えなければならないどんなに風がつよくとも